コンピタンスと等価

週末の『通訳・翻訳論超入門講座』に備えて、課題指定図書『よくわかる翻訳通訳学』を8割がた読み進めた。

メモ① ”コンピタンス”

  • 海外(特にEU圏)には、翻訳者の高等育成機関が多数存在する。育成機関なので当然、入学要件と修了要件が設定されていて、入学希望者の選抜をするための試験や、翻訳者として認定するためのレベル設定がある。
  • 翻訳教育研究においては、課題を遂行する能力や技術を指して『コンピタンス』という用語を使う。
  • 2009年に欧州委員会の翻訳総局が指揮する欧州翻訳修士(European Mater’s in Translation:EMT)プログラムの専門家グループが提示した翻訳者コンピタンスのリストは以下のとおり。

      1. 翻訳サービスを提供できる能力(翻訳を生み出す能力、クライアントなどと良好な関係を保てる能力など)
      2. 言語能力(起点言語および目標言語の高度な運用能力
      3. 異文化理解能力(起点文化および目標文化についての深い理解)
      4. 情報検索能力(辞書やインターネットで情報を検索する能力)
      5. 特定分野調査能力(特定分野の専門知識を効率よく習得できる能力)
      6. ツール活用能力(翻訳メモリなどツールを効果的に活用できる能力)

翻訳者に求められる要件がこんなにあるとは知らなかった。。。日本の翻訳スクールがカバーしてるのは、言語能力・情報検索能力・ツール活用能力あたりだろうか。

メモ② ”等価”

等価
原文の意味と訳文の意味が同じようになるように訳す」というある種の努力目標をあらわす概念であり、5つのレベル(語のレベル、語を超えたレベル、文法のレベル、テクスト構成のレベル、語用論のレベル)で考える。
動的等価
言語間翻訳は、ある言語のメッセージを別の言語の個々のコード・ユニットで置き換えるのではなく、メッセージ全体で起きかえる。つまり、テクスト全体としての等価をあらわす概念であり、4つの基礎要件(a) 意味が通ること、b)原文の精神と態度を伝えること、c)表現は自然で簡単な形を使うこと、d)類似の反応を引き出すこと(等価効果))が提唱されている。

ある意味オフィシャルな『翻訳』の定義や翻訳者のスタンスを知ったこと、また、それらが本講座の方向性と概ね合致していることで、講座を卒業した先にある(はずの)自分の翻訳者像が補強された気がする。

こうした指針・裏付け・補強を見つけて喜ぶのも、きっと私の思考のクセだろう。メンドクサイ性格だという自覚はあるが、しかたない。

【その他】

・1116_誤訳の研究(2)を視聴した。

・『原子構造と電子配置』に関するマインドマップを作りはじめた。最終的には、化学結合時のπ結合・σ結合や分子の充填構造のあたりまで作りたい。進捗は5割くらい。

 

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