進捗(11/19~11/25)平成29年度知的財産権制度説明会(実務者向け)テキスト

特許明細書翻訳作業の勉強

ほぼ一週間、机に向かってするような勉強から離れていたので、電磁気学についての記事は、今日はなし。

旅先(主に飛行機)で読んだ『平成29年度知的財産権制度説明会(実務者向け)テキスト』について報告する。

平成29年度知的財産権制度説明会(実務者向け)テキスト

言わずと知れた特許庁のウェブサイトで配布されているテキストである。
特許・実用新案のカテゴリは以下の12のセクションに分かれていて、それなりにボリュームがある。


  1. 特許の審査基準及び審査の運用
  2. 要約書作成のポイント
  3. 特許分類の概要とそれらを用いた先行技術文献調査
  4. IoT時代におけるビジネス関連発明の利活用について
  5. 国内外で円滑に特許権を取得するために
  6. 特許協力条約(PCT)に基づく国際出願制度の概要
  7. 特許協力条約(PCT)に基づく国際出願の手続
  8. 特許協力条約(PCT)に基づく国際出願の国内移行手続
  9. 国際調査及び国際予備審査
  10. 特許協力条約(PCT)に基づく国際出願制度に関するトピックス
  11. WIPOグローバルデータベース(PATENTSCOPE、商標、意匠)の使い方
  12. 実用新案の基礎的要件と審査の運用

本願発明の認定

読み終えたのは、1つ目のテキスト『特許の審査基準及び審査の運用』(全492頁!)の半分ほどだが、勉強になることが沢山あった。本テキスト『2.本願発明の認定 (p.7)』によると、

2.本願発明の認定
  • 審査官は、請求項に係る発明の認定を、請求項の記載に基づいて行う。この認定において、審査官は、明細書及び図面の記載並びに出願時の技術常識を考慮して請求項に記載されている用語の意義を解釈する。
  • また、審査官は、この認定に当たっては、本願の明細書、特許請求の範囲及び図面を精読し、請求項に係る発明の技術内容を十分に理解する。
  • 明細書、特許請求の範囲又は図面(以下この部において「明細書等」という。)について補正がされている場合は、審査官は、補正の内容についても、十分に理解する。

とある。対訳取りをしていると、英日で請求項の個数が異なるときがあって、今までその理由がわからなかったが、各請求項につき1つの発明を記載することを考えると、この『請求項の記載に基づいて』というところにヒントがありそうだ。

審査官の心証

審査の流れを説明する文章に『審査官の心証』というキーワードが散見される。
法律に則って機械的に審査をするようなイメージを漠然と抱いていたが、当然ながら審査官は人間である。ルールに従ったうえで、審査官が理解できる日本語になっていないと、拒絶査定を受けることになるのだろう。

5.2 新規性の判断に係る審査の進め方(p. 158)

補正や、反論、釈明により、請求項に係る発明が新規性を有していないとの心証を、審査官が得られない状態になった場合は、拒絶理由は解消する。審査官は、心証が変わらない場合は、請求項に係る発明が第29条第1項各号のいずれかに該当し、特許を受けることができない旨の拒絶理由に基づき、拒絶査定をする。

請求項の留意点

特定の表現を有する請求項等についての取扱い(p.167~)によると、以下の場合は、請求項の書き方に注意が必要だ。請求項を訳す際の参考になりそうなことが色々と書いてあった。

  1. 作用、機能、性質又は特性を用いて物を特定しようとする(2.参照)
  2. 物の用途を用いてその物を特定しようとする記載(3.参照)
  3. サブコンビネーションの発明を「他のサブコンビネーション」に関する
  4. 事項を用いて特定しようとする記載(4.参照)
  5. 製造方法によって生産物を特定しようとする記載(5.参照)
  6. 数値限定を用いて発明を特定しようとする記載(6.参照)
  7. 選択発明(7.参照)

ここに総括して書けるほど整理ができていないので、詳細はテキストを参照のこと。
何回か通読して、整理ができたら記事にする。

講座(オンライン翻訳講座)のビデオでは、『(本テキストを読むのは、)ちょっとレベルが上がってからでもいいですよ』と言われていたが、おやつビデオの代わりに、初めから読んでも悪くないと思う。完全に理系の人間なので、特許翻訳の勉強をするまで法律のテキストに馴染みがなかったが、体系的に整備されているので、案外読み易い。なお、以前に『新 法令用語の常識』を読んだことが役に立っている気がする。