Toradosのレビュー機能で比較的短い特許明細書の原文ー自作訳文の表を作成して、それを公開訳や『英文翻訳術』(安西徹雄, ちくま学芸文庫)と見比べながらチェックする、という作業を実施中である。
所有格について
自作を読み返して気づく、不出来な点の1つに、「’s」や「of」の訳し方がある。センテンスにおけるそれぞれの役割を意識せずにうっかり訳すから、日本語として不自然な、英文解釈的な訳文が出来上がるのだと思う。そこで、英文翻訳術の章立てを参考にして所有格を分類し、各センテンスにおける役割を考えながら訳しなおすことにした。なお、『英文翻訳術』だけではちょっと不安なので、『徹底例解 ロイヤル英文法』も併せて使用している。
英文翻訳術の章立て
1.所有格を考えるー名詞(1)
- 主語を表わす所有格
- 代名詞の所有格
- 動名詞の意味上の主語
- of + 名詞(主従関係)
- 「目的各関係」を表わす所有格
- of+名詞(目的格関係)
例
原文
Some test and measurement instruments, such as RSA6100 Series Real-Time Spectrum Analyzers and MDO4000 Series Mixed Domain Oscilloscopes, available from Tektronix, Lic. of Beaverton, Oregon, are capable of displaying both time-domain and frequency-domain views of an input signal.
自作
テクトロニクス社(米国・オレゴン州 ビバートン)から入手可能なRSA6100シリーズリアルタイムスペクトラムアナライザおよび、MDO4000シリーズミックスド・ドメイン・オシロスコープなどの試験測定機には、1つの入力信号の時間領域と周波数領域の双方を表示可能なものがある。
公開訳
米国オレゴン州ビーバートンのテクトロニクス社から入手可能なRSA6100シリーズ・リアルタイム・スペクトラム・アナライザやMDO4000シリーズ・ミックスド・ドメイン・オシロスコープなどのような試験測定装置は、入力信号について、時間領域と周波数領域の両方から表示する能力がある。
※ 機器の構成上、青字部分の「an」は「1つの」と訳出した方が良いと思っている。