進捗(2/11~2/17)「or」と「若しくは,又は」について

特許法など法律関係

先週に引き続き、特許翻訳のトライアルに挑戦中。

水曜日が提出期日なので、明朝、最後の見直しをしてから提出する予定。

先週(~2/10)の段階で一度は「訳文完成!」と思ったけれど、予備知識を増やしてから読み直してみると、用語の誤りの他に、請求項内の論理構造に不明瞭な部分が見つかった。特に、連続する「or」はどうすればきれいに訳せるだろうか?

改めて、日本語(の法令)における条件分岐の書き方を復習した。なお、訳文では、「もしくは」「または」の表記としている。

『新 法令用語の常識』(2014年) 『第1章 基本的な用語』より

「又は」「若しくは」

英語で言えばどちらも「or」に当たる。選択的接続が多段階になったときは、役割が異なり、「又は」は一番大きな接続でしか使用できないというルールがある。

単純な選択肢を示す場合

「A又はB」、「A、B又はC」の形式で、「又は」を使う。

例)

  1. 公の秩序又は善良の風俗
  2. 労働者の国籍、信条又は社会的身分

選択的接続の段階が複雑で二段階以上になる場合

小さい接続の方に「若しくは」を使い、大きな接続の方に「又は」を使い、「A又はB若しくはC」と表現する。

例)民法第120条

① 行為能力の制限によって取り消すことができる行為は、制限行為能力者又はその代理人、承継人若しくは同意をすることができる者に限り、取り消すことができる。

  • 第1グループ:制限行為能力者本人
  • 第2グループ:制限行為能力者本人以外
  • 第2グループの内訳:その代理人、承継人若しくは同意をすることができる者

選択的接続が三段階になった場合

「又は」は一番大きな接続でしか使えない、というルールがあるので、それ以下の接続の段階では「若しくは」を重ねて使うことになる。

例)地方自治法第152条第2項

副知事若しくは副市町村長にも事故があるとき若しくは副知事若しくは副市町村長も欠けたとき又は副知事若しくは副市町村長を置かない普通地方公共団体において当該普通地方公共団体の長に事故があるとき若しくは当該普通地方公共団体の長が欠けたときは、その補助機関である職員のうちから当該普通地方公共団体の長の指定する職員がその職務を代理する。

  • 第1グループ(青):地方公共団体のNo.2には、副知事と副市町村長の2種類があることによる選択
  • 第2グループ(緑):長が不在の理由が事故なのか、それとも、欠けたのかによる選択
  • 第3グループ(赤):No.2がいる組織なのか、それとも、いない組織なのかによる選択

前々から思っていたが、法律と数学はよく似ている。どちらも理詰めだ。