成膜プロセスについてメモ(スパッタリング)

半導体・ストレージ・NAS

前回の続き)

CVD法など高温下での成膜が困難な配線用金属は、スパッタリング法で成膜する。

基本情報

原理

まずアルゴンのプラズマを発生させる。得られたアルゴンイオンをターゲットと呼ばれる金属のインゴットにぶつけることにより金属原子をはじき出して、ウェーハ上に成膜する。ターゲットをアルゴンでエッチングするともいえる。

スパッタリングと蒸着の違い

蒸着が、材料に熱エネルギー(10^-1 – 10^-2 eV)を与え、材料を蒸発させて基板に堆積させるのに対して、スパッタリングは、材料に運動エネルギー(10^2 – 10^3 eV)を与え、材料を固体から叩き出して基板へ堆積させる。スパッタリング法によって形成された膜は、一般に付着力が高く、膜応力も高い。

アルゴンガスを使用する理由

  1. スパッタ率が高い
  2. 不活性ガスである
  3. 安価である
  4. 高純度のガスが流通している

装置について

スパッタリング用Arプラズマの真空度はプラズマCVDよりも2桁くらい高くする必要がある。それだけの真空システムが必要になる分、装置の価格が高い。

また、真空システムの違いにより「インターバック方式」、「ロード・アンロード方式」、「インライン方式」、「マルチチャンバー方式」などがある。

eEXPOのウェブサイト(株式会社 東栄科学産業)より

スパッタリング法による成膜の特長

  1. ステップカバレッジに優れている
    ・ソースが広いため、異方性が強い。
    ・プロセスガス圧力が高いため、平均自由工程が短く、飛行途中の成膜原子に散乱が起こる。
  2. ソースが広いため膜厚分布が比較的取りやすい
  3. ターゲットを合金にすることにより、合金膜の組成制御がしやすい
    ・カソードなどの設置方向に制限がない
    ・自動化しやすい
  4. 成膜再現性に優れている
  5. ターゲットの交換頻度が低く量産に適している
  6. 基板を加熱せずに成膜することもできるので、他の成膜方法よりもさらに低い温度での成膜が可能となる(金属配線材料など)