進捗(3/18~3/24)量子力学の入口②(プランク定数の少し前まで)

ほかの技術知識

量子力学だけでなく半導体や化学反応の勉強をする中でも、プランク定数(h)がよく登場する。量子革命: アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突 (新潮文庫)の第一章を使って、プランク定数がそもそも何だったかを勉強したときのメモ


~19世紀前半

鉄の火かき棒問題

あらゆる物体は、もしも温度が十分に高ければ、熱と光を発し、その強度と色は温度とともに変化する。鉄の火かき棒(暖炉の火の調整に使う棒)を炎の中に置きっぱなしにしておくと、温度が上がるにつれて、目に見えない熱放射① → くすんだ赤色 → 鮮やかな赤色 → 黄色味がかったオレンジ色 → 青みがかった白色 → 目に見えない熱放射② というふうに色と熱放射が変化する。だが、理論は分からない。

(参考)『フォトサイエンス物理図録』p.74より

19世紀後半:熱放射に関するキルヒホフの法則

1859年、キルヒホフが初めて、「鉄の火かき棒問題」の理論的な研究に取組む。

命題の転換

まず、命題を黒体が発するエネルギー量の問題に転換した。

  • 転換前:ある温度で火かき棒が発する色の範囲と強度との関係を明らかにせよ。
  • 転換後:与えられた温度における、黒体放射のエネルギー分布、すなわち赤外線から紫外線までのそれぞれの波長でのエネルギー量を測定せよ。そして、その分布を再現するような式を導け。

★黒体とは★

からっぽの容器に小さな穴をあけたものである。この容器の外壁は完全に断熱されている。また、あらゆる波長の光を完全に吸収し、かつ、放出することができる。「完全に吸収」するため、反射がゼロとなり黒く見える、また内部を充たす放射を「放出」する出口は穴だけである。

熱放射に関するキルヒホフの法則

熱放射状態にある物質が放出する放射エネルギーと吸収能との比が、温度と放射の波長だけの関数で、物質の種類に無関係である(岩波理化学辞典より)

19世紀末:黒体問題の解決が急務

他の国よりも良い(白熱)電球を作りたい、という各国の競争が激しくなった。そのためには、まず、世界共通の規格・単位を決める必要がある。基準のひとつとして、黒体のスペクトルに改めて注目が集まった。

理由:黒体は、あらゆる温度で完全な放射体として振る舞うので、熱、すなわち赤外線の放出量も最大である。そのため、熱の発生をできるだけ小さく抑えながら、可能な限り多くの光を出すような電球を作る際に、黒体のスペクトルがひとつの基準となり得る。

ヴィーンの変位則

温度によって黒体放射の温度分布がどのように変わるかを記述する簡単な数学的関係を、ヴィーンが発見した。

★ヴィーンの変位則★

黒体の温度が上がるにつれて、放射強度が最大となる波長はどんどん短い方に移動する。言い換えると、放射の量が最大となる波長に黒体の温度をかけたものは、常に一定の値となる。

『量子革命』より

分布則

ヴィーンの変位則は、すべての波長で成立っていたが、変位則に次いで発表された分布則には、短波長領域ではよく合うが赤外領域では破綻する、という問題があった。また、レイリー・ジーンズの式は逆に、長波長領域でしか、よく合わなかった。

プランクの式

ヴィーンの式と既存の知識とを統合することにより、プランクは、すべてのスペクトルを説明できる式 E = hν を発見した。


時間切れにつき、続きはまた今度。