進捗(3/25~3/31)海面魚類養殖

ほかの技術知識

「水産系の特許も沢山ありますよ」と教えていただく機会があった。帰宅してさっそく調べたところ、海面養殖が面白そうなので、学生時代の記憶を辿りつつ(水産系卒・修士論文はサケの成長に係る数値計算モデルだった)、養殖分野について調べた。

参考資料

  1. 海面魚類養殖施設の歴史と網生簀式養殖, 宮下 盛, 水産技術 第1巻1号 pp.13-19
  2. 『海の科学 海洋学入門【第2版】』  恒星社厚生閣
  3. 『漁業生物図鑑 北のさかなたち』 北海道新聞社
  4. 『生物海洋学入門』講談社サイエンティフィク

復習:赤潮・青潮・貧酸素水塊

  • 赤潮:窒素やリンが沿岸域に大量に流入することによって生じる植物プランクトンの異常発生である。植物プランクトンの多くは赤潮を形成しても他生物に影響を及ぼさないが、被害を与える種もあり(hartful algae)、そのような種の増殖をHAB(hartful algae bloom)という。
  • 貧酸素水塊:赤潮の後、沈降した植物プランクトンの死骸などの、大量の有機物を含んだヘドロと呼ばれる軟弱な海底堆積物内の有機物を分解する過程で大量の酸素を消費することにより、海底付近の水塊を無酸素化されて生じる、酸素の含有量が少ない水塊をいう。この水塊内の入った魚は、窒息して死んでしまう。
  • 青潮:吹上流によって界面近くまで上がってきた貧酸素水塊(硫化水素を含む)によって生じる現象である。

養殖の歴史

 養殖の方式は、築堤式・網仕切式・小割式網生簀の3つに大別される。1928年に香川県でブリ(ハマチ)の養殖が始まった当初は、堤を作るコストはかかるものの技術的には比較的単純な、築堤式と網仕切式が中心であった。しかし、コスト面だけでなく立地条件にも制約があることにより、これらの方式はあまり普及しなかった。1960年前後に、現在の小割式網生簀方式が開発され、世界に普及していった。

養殖方法の種類

網生簀

種類

 浮揚式(内湾用)と浮沈式(外洋用)とがある。浮沈式はエアー制御によって生簀を沈下・浮上させる方式であり、多くのメリットがある。

  • 台風、季節風、などによる高波から施設・魚貝類の保全・保護(高波が来たら沈めておく)
  • 赤潮・青潮被害による斃死(へいし)対策
  • 藻類固有の繁茂水深差による藻類の自然淘汰
  • 降雨や河川などで発生する塩分濃度低下と表水面水温低下などによる、魚貝類への影響軽減
  • 盗難予防
  • 油濁および河川汚水からの回避
浮沈式生簀の概念図

浮沈式網生簀

枠体・生簀網・浮子・係留施設・給餌設備などで構成される。

網生簀について(作成したマップの一部,右クリックー>別タブ表示で拡大

枠体

 浮力のある素材を用いて枠だけで水上に浮かせるか、金属等の枠にフロートを繋げて浮かせるかで大別される。いずれの場合も、潮汐・水流の水圧に対する耐圧性や、海水の塩分による腐食・金属疲労への対策が欠かせない。

生簀網

 素材として、化繊系・ポリモノフィラメント系・合金系がある。いずれの場合も、耐久性・網成り・付着生物対策などが重要となる。

もう少し書こうと思ったけれど、時間切れにつき、ここまで。