進捗(4/15~4/21)プランクの量子

ほかの技術知識

 先日の記事の続き。プランクが考えた、エネルギーを切り分ける『斧』としての定数のはなし。このプランクの考え方を修正/発展させるかたちで、数年後にアインシュタインの光量子が登場する。プランクはこの時点では、エネルギーを分配する方法として量子を持ち出しただけであって、光そのものを量子と見なしたわけではなかった。

参考文献:量子革命: アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突 (新潮文庫)

プランクの作戦

Max Plank (Wikipedia)

 プランクは自身が生み出した法則(E =)を矛盾なく導出する方法を探る中で、黒体放射スペクトルのエネルギー分布を再現する物理モデルを考え出す必要性に迫られた(νは、英語のアルファベットのv(ブイ)ではなく、ギリシャ文字のν(ニュー))。

黒体放射の復習

 黒体の壁が加熱されて温度が上がるにつれて、壁は空洞内に赤外線・可視光線・紫外線を放射するようになる。

物理モデルの導出に利用するもの

  1. 黒体放射のエネルギー分布は、黒体の温度だけで決まり、黒体の材質によらない。
  2. ある振動数で振動している電荷は、その振動数の放射だけしか放出したり吸収したりしない。
  3. ボルツマンの原理(熱力学第二法則の統計的解釈):エントロピーとは、系がある特定の状態に見いだされる確率の尺度のことである。つまり、熱力学第二法則を「系がエントロピーの小さい(見出される確率が小さい)状態から、エントロピーの大きい(見いだされる確率が大きい)状態へ進む」と解釈する。
~熱力学第二法則の解釈~
ボルツマンの原理以前:エントロピーは常に増大する。
ボルツマンの原理:エントロピーは、ほとんど常に増大する。

仮定

 黒体の壁を、膨大な数の「振動する電荷」(振動子)の集まりとして表す。ひとつひとつの振動子は、どれかひとつの振動数の放射しか出さないが、集団としては黒体内部に見られるすべての振動数の放射を出す。

~プランクが振動子の集団としてイメージしたもの~
質量をもたないさまざまな硬さのバネに電荷がひとつずつくっついたもの。バネの硬さの種類で、振動数の幅を再現する。

理論の展開

  1. 黒体の壁を加熱すると、振動子が運動をはじめるために必要なエネルギーが与えられる。
  2. 特定の振動子が実際に運動するかどうかは、温度だけで決まる。もしも運動すれば、その振動子は空洞に放射を出し、空洞から放射を吸収する。そのため、温度が一定に保たれれば、振動子と空洞内の放射との動的な放射エネルギーのやりとりはいずれ釣りあい、熱平衡状態(エントロピーが大きい状態)に落ち着く。
  3. 黒体放射スペクトルのエネルギー分布は、全エネルギー分布が各振動数にどう分配されるかを表すと考えると、エネルギーの分配の方法は、振動数ごとの振動子の数で決まる、と言える。

振動数と振動の大きさの関係

 高校で習った単振り子の動きを思い出してみると、振動数はひもの長さで決まったが、エネルギーの大きさは振幅で決まっていた。

『フォトサイエンス 物理図録』より

 『振幅に制限がかかる』を単振り子で考えてみると、振幅の値が離散的になる≒たとえば、イラストの球がある部分でしか値が取れない、ということになる。日常生活のスケールではまったくイメージがつかないけれど、原子レベルのスケールでは、世界がコマ送り、ということか。

…へんなの 🙁