強誘電体メモリ②(続・誘電体の復習)

Wikipediaより
半導体・ストレージ・NAS

『福田昭のストレージ通信』より。「強誘電体メモリの再発見シリーズ」の勉強メモの一部。

誘電体の性質による分類

  • 絶縁性
  • 分極

 通常、誘電体内部に分極は発生しておらず、電荷はランダムに存在している。誘電体に外部電界を加えると正負の電荷が電界を打ち消す方向に揃い、誘電体の内部に分極(プラスの部分とマイナスの部分)が発生する。外部電界をゼロにすると、分極も消える。

分極のメカニズム

 配向分極(orientation polarization)・イオン分極(ionic polarization)・
電子分極(electronic polarization)の3種類がある。分かりやすい説明を掲載した企業サイト(山本ビニター株式会社・『電波加熱研究所』)を見つけたので、本メカニズムの説明はそこから拝借する。

誘電分極の3 つのタイプのモデル図(出典:山本ビ二ター株式会社)

配向分極(orientation polarization)


分子は通常、全体では帯電していませんが、ひとつの分子の中でプラスを帯びた部分とマイナスを帯びた部分が常時、偏在しているものがあります。それらの分子の向きは無電界の状態ではバラバラですが、電界がかかると偏在している部分が同一方向に整列します。このように分子のレベルで分極するのが配向分極です。


山本ビニター株式会社

イオン分極(ionic polarization)


物質の中には陽イオンと陰イオンが引き合って結合している物質があります。無電界の状態ではイオンは規則正しく並んでいますが、電界がかかると陰イオンは陽イオンに結合されたまま、電界のプラスの方向に引っ張られ、逆に陽イオンは電界のマイナス方向に引っ張られます。その結果、プラスとマイナスの分布が電界の方向に偏り誘電分極が生じます。これがイオン分極です。

山本ビニター株式会社

電子分極


原子はプラスの原子核とマイナスの電子から構成されていますが、電界が作用していないときは、原子の周りを回っている電子は均一に分布しているので原子全体では帯電していません。しかし、この原子に電界が作用すると。電子が電界のプラスの方向に引っ張られて、電子の分布が偏って誘電分極が生じます。これが電子分極です。

山本ビニター株式会社

誘電体の種類

誘電体の種類

 分極が生じる要因と残留分極(外部電界をゼロにしたあとに残る分極)の有無によって、(常)誘電体・圧電体・焦電体・強誘電体に分類される。このうち、圧電体とは機械的な圧力を加えて変形させると分極を生じるものであり、焦電体とは、圧電体の中でも初めから分極して表面に電荷を帯びており、かつ、温度変化によって表面の電荷量が変化するものであり、そして、強誘電体とは、焦電体の中でも残留分極が残るものである。

圧電効果

 圧電体の性質である『圧電効果』は英語で書くとpiezoelectric effectである。ピエゾはギリシャ語に由来し、圧力とか押すという意味なので、圧電効果とは文字通り、力を加えると電荷が発生する現象であって、機械-電気変換の1つである(参考:フレッシュマンのための計測講座 圧電効果を用いたセンサ, 古谷 克司, 計測と制御 第45巻, 2006)。本効果を示す代表的な物質には水晶や特定のセラミックスがあり、加えられた圧力に比例した分極が生じる。また、逆に、電界を印加すると物質が変形する現象は逆電圧効果という。圧電効果と逆圧電効果をまとめて、圧電効果と呼ぶこともある。

圧電体の結晶構造

 変形すると電荷が偏る理由を調べたところによると、結晶構造が点対称ではないことが原因らしい。普通の誘電体は点対称なので、ある点を中心に回転しても、原子やイオンの配置は変わらない。したがって、圧力をかけて変形させても、その影響は結晶の正反対の方向へ均等に出るので、特定の方向に電荷が偏ることはない。いっぽう、圧電体は点対称構造になっていないので、変形の影響が均等にはならず、どちらか一方に電荷が偏って分極を生じる。


時間切れにつき、今日はここまで