結晶格子面の表し方(ミラー指数)

福田昭のストレージ通信などを参考に強誘電性を示す圧電セラミックス材料について勉強していると、(100)や(210)のような丸カッコでくくった3桁の数字がときどき出てくる。調べてみると、これは結晶格子面や結晶の方向を示す「ミラー指数」というものらしい。

セラミックス材料に限らず、結晶を成長させる、あるいは結晶を割る・削る際に用いられる、基本的な概念のようだ。

  • エピタキシャル成長:単結晶膜や結晶の配向を維持した配向性の高い金属膜を形成する方法。半導体製造では、薄膜結晶成長技術のひとつであり、単結晶の基板上に新しく単結晶の薄膜を成長させることをさす。
  • 人工ダイヤモンド:中央宝石研究所のウェブサイト参照

ミラー指数の求め方(面)

物理の鍵しっぽ』の記事で、ミラー指数の求め方を勉強した。

そもそも、ミラー指数とは何か?

結晶の格子中における結晶面や方向を記述するための指数である。 英国の鉱物学者ウィリアム・ハロウズ・ミラー (William Hallowes Miller) によって考案された。 ミラー指数には,面指数と方向指数(方位指数)の2種類がある。

wikipedia

具体的には、ミラー指数は「丸カッコの中の3つの整数」(h, k, l)で表示し、それによって、任意の格子面を表現する。なお、3つの整数h, k, lはそれぞれ、単位格子の3軸方向の値を表す。

手順1 単位格子の3つの主軸を座標軸にとる

単位格子の3軸(http://hooktail.sub.jp/solid/millerIndex1/

物理の鍵しっぽでは、h方向をa軸、k方向をb軸、l方向をc軸としていた。他のサイトでも確認したところ、結晶の単位格子の場合は、軸の名称としてa, b, cを使うようだ。

a, b, cではなくx, y, zでも良さそうな気がするが、常にすべての軸が直交するわけではないのだから、a, b, cのほうが誤解が生じなくていいのかもしれない。

手順2 座標軸に目盛りを打つ

各軸に目盛りを打つ(http://hooktail.sub.jp/solid/millerIndex1/

物理の鍵しっぽの例は、単位格子が立方体なので、すべての軸の目盛の大きさが同一になる。立方体でなければ当然、目盛の大きさは軸によって異なる。なお、格子定数とは、3辺(たて・よこ・高さ)の長さおよび3軸間の角度によって決まる定数のこと。

手順3 格子面と座標軸の交点の目盛りをよむ


目盛りをよむ(http://hooktail.sub.jp/solid/millerIndex1/

表したい格子面が3つの座標軸を切る交点の位置を、先ほど打った目盛の単位で表す。単位格子の原点は通らず、原点にもっとも近い面を選ぶ。上図では、a軸が1, b軸が2,c軸が3になる。

面と軸が交差しない場合

面と軸が交差しない=平行になる場合は、その軸の指数は「0」とする。

手順4 読んだ数字の逆数をとる

a軸が1, b軸が2,c軸が3の場合、逆数は、1, 1/2, 1/3

手順5 整数比になおす

「1, 1/2, 1/3」を整数比にする==> 分母を、1, 2, 3の最小公倍数である 6 に揃えて、分子の最小の整数比をとる。

1 : 1/2 : 1/3 = 6/6 : 3/6 : 2/6 = 6 : 3 : 2

完成!

(h, k, l) = (6, 3, 2)

読み方は、「ろく・さん・に・めん」

手順3で、結晶面が軸のマイナス方向を横切る場合


軸のマイナス方向を横切る場合(http://hooktail.sub.jp/solid/millerIndex1/

交点がマイナス方向で座標軸を切った場合は、指数の上にーを付ける。

等価な交差面は{}でまとめる

点対称な結晶構造であって、回転させると重なる場合は中カッコ{}でまとめて表す。

結晶の方向を表す場合

結晶の方向は「面に垂直な方向」つまり、面の法線を使って表すことができる。丸カッコ()の代わりに、角カッコでくくるだけなので、面のミラー指数が分かれば、あたらしく覚えることはあまりない。

結晶の方向を結晶の面指数で表したものを結晶方位と呼ぶ。

(111)が面指数で、[111]が結晶方位(
http://hooktail.sub.jp/solid/millerIndex2/