進捗(6/10~6/16)特許戦略についてメモ

Freee社(原告)vs マネーフォワード社(被告)の会計ソフトに関する訴訟を題材に、特許戦略についてレクチャーを受けたときのメモ


特許の取り方

https://faq.inpit.go.jp/content/tradesecret/files/100578260.pdf

オープン戦略

 他社に公開またはライセンスを行う。見える部分(=侵害立証がし易い部分)やリバースエンジニアリングが可能な部分について特許化する。

  • 標準化
  • 無償実施によるデファクトスタンダード化
  • 低額/高額ライセンス
  • クロスライセンス

クローズド戦略

技術などを秘匿または特許権などの独占的排他権を実施する。

  • 独自技術などを秘匿化(ノウハウ)する
  • 見えない部分、リバースエンジニアリングできない部分を秘匿化する。

ミックス戦略

 侵害立証がし難い部分も特許化するが、相当な試行錯誤を要する最適値といったノウハウ部分を秘匿化して、それ以外の部分を特許化することでオープン戦略のよい部分(20年間は差止請求や損害賠償請求が可能)とクローズド戦略のよい部分(半永久的に独占実施)の良いとこ取りを狙う。

特許権侵害の要件

  1. 原告が特許権を有すること
  2. 被告がある製品を製造・販売・使用していること
  3. 被告の製造販売している製品(あるいは使用している方法)が原告の特許権を侵害していること

権利侵害の要件を判定する方法

ステップ1 特許発明における「特許請求の範囲」を複数の要素に分解する

ステップ2 対象製品(または方法)を原告特許と比較する

ステップ3 原告特許の各要素と被告製品・方法の要素とを比較する

直接侵害(特68条)

 特許権の侵害とは、正当な権原なき第三者が業として特許発明を実施することを指し、特許発明の技術的範囲に属する製品について無断で生産、使用、輸出、輸入、譲渡等の申出をしたり、方法を使用たりすること

間接侵害(特101条)

 特許発明の構成要素のすべてを実施していないために直接侵害に該当しなくても、その特許発明の一部の構成要素を実施していることから特許権の侵害とみなされる行為

(均等侵害は省略)

Freee vs マネーフォワード

 ソフトウェア関連特許の多くはルールベースに基づく請求項の書き方が採用されているが、この方法ではディープラーニングを含む最新のAI技術をカバーできないことを示した判例。

・原告:Freee社
・被告:マネーフォワード社
・争点:勘定科目の自動仕分け方法に関するFreeeの特許権をマネーフォワードの製品は侵害したか?
・判決:原告の請求を棄却してマネーフォワードが勝訴

Freee社の特許技術

対応テーブルおよびキーワードの優先順位を使用したルールベースの方法。

 入力値として与えられた情報(例:モロゾフ,JR三越伊勢丹)を、勘定科目対応テーブルに当てはめたもの(モロゾフー>接待費, JR->旅費交通費, 三越伊勢丹ー>勘定科目の設定なし)に対して、キーワードの優先順位(1.品目、2.取引先…)をアルゴリズムで適用することにより、「接待費」という出力を決定する。

マネーフォワード社の商品

 学習モデルに対して、複数のキーワードの組合せと正解の勘定科目とのセットからなる大量の教師データを継続的に与えることで、モデルのパラメータが自律的にチューニングされ、出力の精度が向上する仕組みを採用している。


解説図を付けると良い気もするけれど今日はここまで。時間切れ。弁理士先生によれば、AI特許はベクトルの取り方がキモとのことだが、そこのところは、まだよく分からない。