オフセット枚葉印刷機の概要

ほかの技術知識

過去のトライアル課題からの落穂拾い。


商業印刷の4大分類

凸版印刷

ハンコのような凹凸のある版を作り、凸部にインキをつけて紙に転写する方法(活版印刷)

凹版印刷

印刷版の凹んだ部分にインキをつけて、紙に転写する方法(グラビア印刷)

孔版印刷

版に孔をあけ、その孔を通してインキを紙に転写する方法(シルクスクリーン印刷)

平版印刷

印刷の版面にほぼ凹凸がないのが特徴で、複数の転写工程を経てインキを紙に転写する方法(オフセット印刷)

オフセット印刷機

 非常に鮮明な印刷が可能で、版が直接紙に触れないことから胴の磨耗が少なく、大量印刷にも適する。輪転機を使用すれば短時間で大量の印刷が可能になる。紙に施す印刷技術としては、立体感が劣る、設備投資にかかる費用が高いといった点以外はほとんど欠点らしい欠点が無く、オフセット印刷用の用紙の発達もあり、現在世界中で供給される商業印刷機の多くをオフセット機が占めている。

枚葉オフセット印刷機の構成

 

機械構成は給紙部(フィーダ),印刷本機部,排紙部(デリバリ)からなり,給紙部に積載された用紙が1枚ずつフィーダボード上へ送り出され,前当て,横針装置により用紙の位置を制御する。その後印刷本機部に導入され,印刷ユニットにより印刷して,排紙部へ排出・積載される。

出典:
https://www.jfpi.or.jp/webyogo/index.php?term=2229
オフセット印刷機各部の名称(出典:一般社団法人 日本印刷産業連合会ウェブサイト)

オフセット印刷の原理

 表面には感光剤 を塗布したPS版と呼ばれる凹凸のない薄いアルミ製の版(印刷の元となる板)を使用する。このPS版を感光させて現像すると親水性の部分と親油性の部分ができる。この版を水で濡らした後にインキをつけると、水と油が反発しあい親油性の部分にだけインキが残る。オフセット印刷は、この性質を利用して印刷を行う。

つまり、PS板(版胴に巻き付いていた板)に塗布したインキをブランケット胴(ゴム製)に転写し(off)、そのブランケット胴表面のインキを用紙(ブランケット胴と圧胴に挟まって給紙部から印刷部へ流れてくる)に転写する(set)。

印刷の工程

  1. 設定のリセット(前回の印刷設定をクリアして、ブランケットなどを洗浄する)
  2. セット(各色の版のセット、用紙のセット)
  3. 印刷オペレーション( 見当合わせ、インキ量の調整)
  4. 刷り出し(試し刷りを何回か行いながら、色・見当・ごみ取り・湿し水などの調整)
  5. 本刷り(刷り出しで問題がなければ、印刷を開始)
  6. 印刷機から用紙を移動させ、インキが乾くまで乾燥させる

用語メモ

版(PS版)

アルミで出来た印刷に使用される板。表面に感光剤が塗布されており、感光すると親水性と親油性に分かれるように加工されている。

版胴

PS版を取り付けるためのローラー。取り付けた版に、水ローラーとインキローラーを介して印刷面にインキがつく。

ブランケット胴

ゴム樹脂製のブランケットをまきつけたローラー。このブランケット胴に版のインキを転写し、さらに印刷用紙に転写を行う。

圧胴

印刷用紙をブランケット胴に密着させるためのローラー。印刷機械によっては、圧胴のかわりにブランケット胴が上下2つになっているものもあり、一度に両面を印刷できるようになっている。

水ローラー

版に水をつけるためのローラー。水は湿し水とも呼ばれている。

インキローラー

版にインキをつけるためのローラー。実際には印刷機械の内部でインキを練るための「練りローラー」や、インキを版につけるための「着けローラー」などに分かれている。インキの種類は印刷方式によって使用するものが異なり、ペースト状や液状のものなどがある。

湿し水

水道水にエッチ液・IPA(イソプロピルアルコール)を加えたもの。近年はIPAを使わないノンアルコールタイプが主流。おもな役割は非画線部に吸着しインキを付かないようにすることだが、エッチ液の親水性・保水性・修復力、IPAの親水性向上のはたらきも重要な要素である。