進捗(7/8~7/15)ハロゲン化水素(フッ化水素)

ほかの技術知識

 今週は株式市場がテーマの日英チェッカートライアルに挑戦中。息抜きに、最近話題のフッ化水素について復習してみた。


ハロゲン化水素

 「フッ化水素は代わりがない」という報道があるが、ではそもそもハロゲン化水素がどんな性質を持っていて、その中でフッ化水素はどのように特殊なのだろうか?周期表を確認すると、ハロゲン元素は右端から1つ手前のF(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)、I(ヨウ素)である。

電気陰性度

 周期表の配置ルールの1つに、右上から左下に向かって電気陰性度が小さくなることがある。電気陰性度が何であったかというと、結合状態で原子が電子を引きつける能力を相対的に表したものであって、具体的には原子のイオン化エネルギーと電子親和力の算術平均を取ったものになる。

17族のハロゲン元素はいずれも電気陰性度が高いが、特にフッ素は酸素よりも電気陰性度が高い。->酸化物に対して酸化還元反応ができる。

出典:『総合化学図説』(第一学習社)

酸の強さ

 電気陰性度の強弱が「F > Cl > Br > I」なので酸(HX)の強さも「 HF > HCl > HBr > HI 」になりそうなものだが、陰イオンの安定性が「F < Cl  < Br < I」なので、酸の強さの順序も 「 HF < HCl < HBr < HI 」になる。

【理由】各元素のイオン半径を考えると、原子量が小さいほど電子の影響を強く受けるため。とくにフッ素(最外殻がL殻)と水素の化合物であるフッ化水素は、極性が強くHF分子間で水素結合を生じる。HF分子間で結合を繰り返して見かけの分子量が大きくなり(=ファンデルワールス力が大きくなる)、電離が安定しないため弱酸になる。

参考:原子構造と電子配置のまとめ作業

フッ化水素

  • 実験室では、フッ化カルシウムCaF2(蛍石)に濃硫酸を加えることで得られる
  • フッ素の電気陰性度が高いので酸化還元反応により、ガラス(二酸化ケイ素)を腐食させる
  • ガラス以外のテフロン加工した容器などに保存する。
  • 水素結合をしているので沸点が異常に高い(HF:20℃、HCl:-85℃、HBr:-67℃、HI:-35℃)
  • 工業的には、原料となる蛍石の原産国は中国であり、各メーカーは現地に合弁会社を作るなどして安定確保に努めている
  • 気体のフッ化水素を使ったエッチングをドライエッチング、液体のフッ化水素酸を使ったエッチングをウェットエッチングという(参考:エッチングについてメモ
  • ドライエッチングでは、Si-Oの結合をSi-Fの結合に置換する。
  • ウェットエッチングでは、二酸化ケイ素と水が反応してできた水酸化物にフッ化水素が反応して、「H2SiF6」(ヘキサフルオロケイ酸)が生じる。
出典『総合化学図説』(第一学習社)

 二酸化ケイ素と言えばガラスであり、その辺に転がっている石ころである。それがじゅわーっと溶けるのだから、フッ化水素は有用かつ取扱いが難しい化合物なのだろう。

7/18投稿の補足記事はこちら