進捗(8/19~8/25)PCT条約

特許法など法律関係

 校正者の研修の課題に取組んだり、知人経由の依頼で、某大学院の社会人入学の過去問(小論文)の添削をしたりした。秋の社会人入試を受けるために勉強中とのことだったが、素人目で見ても、もうちょっと頑張らないと合格は難しいだろう。まず、設問の要求に答えていない。日本語も少し変だ。この答案だけ読むと、受験者は人の話を聞かない性格なのかもしれない、という印象を抱いてしまう。できるだけソフトなコメントを添えて、依頼先にお返しした。

さて、先週に引き続き、条約のメモを少し書く。


PCT条約

 外国へ特許出願する方法の1つであり、「1つの出願だけで様々な国へ出願したものと同様の扱い受けることができる」を実現する制度を定めた条約である。特許庁のウェブサイトにも解説がある。

概要

  • PCTでは、出願、先行技術調査および審査に関する合理化と、これらに関係した技術情報の普及について定めている。
  • PCTはパリ条約に代わる制度ではなく、パリ制度を優先しつつ、各国内における出願から先行技術調査に至るまでの手続きを統一する、という役目を担う。
  • 出願人は、PCT出願の所定の願書を用いて日本の特許庁に日本語で出願すれば、PCT加盟国すべてに対して正規に国内出願した効果が得られる。
  • PCT条約は、あくまでも出願における手続きを統一するだけで、世界統一の特許権を与えるものではない。最終的には各国特許庁において特許要件の審査が行われる。
PCT出願

出願先

 自国の特許庁(国籍のある国または居住している国の特許庁)または世界知的所有権機関(WIPO)の国際事務局

言語(日本の場合)

日本語,英語

国際出願日

 国際出願を受けた受理官庁が、一定の要件を満たしている出願について受理の日を国際出願日として認定する。
->すべてのPCT締約国における出願日となり、各国において正規の国内出願として扱われる。

パリ条約との関係

 国際出願日が承認された国際出願は、パリ条約における優先権の基礎とすることができる。なお、国際出願がパリ条約上の優先権主張して出願されている場合もある。つまり、パリ条約に基づく優先権を主張して、基礎出願の日から 12ヶ月以 内 にPCT国 際 出 願をすることができる。

国際出願日認定後の流れ

  • 国際出願日の認定後、国際出願は国際調査機関により、国際調査(その出願に係る先行技術の有無を調査する)が行われる。調査の結果を受けて、条約19条の補正で請求の範囲の補正ができる。
  • 国際出願の優先日から18カ月後に国際事務局より国際公開が行われる。

(1) 出願人は、国際調査報告を受け取つた後、所定の期間内に国際事務局に補正書を提出することにより、国際出願の請求の範囲について一回に限り補正をすることができる。出願人は、同時に、補正並びにその補正が明細書及び図面に与えることのある影響につき、規則の定めるところにより簡単な説明書を提出することができる。
(2) 補正は、出願時における国際出願の開示の範囲を超えてしてはならない。
(3) 指定国の国内法令が(2)の開示の範囲を超えてする補正を認めている場合には、(2)の規定に従わないことは、当該指定国においていかなる影響をも及ぼすものではない。

PCT条約 第19条 国際事務局に提出する請求の範囲の補正書

国際予備調査

 出願人の請求に基づいて実施され、新規性などの判断が示される。国際予備調査報告書は非公開。 国際予備調査の期間中は、条約34条の補正で、明細書・請求の範囲・図面の補正ができる。 条文が長いのでリンク先を参照のこと。

国内移行

 実際に権利化を図りたい国で行う実体審査であり、翻訳文の提出や手数料の支払いをする。