核酸(DNAとRNA)

 過去トライアルの課題を掘り下げたときのメモ。分子生物学は大学一年生のときに「基礎科目」として習った記憶がある。当時、「セントラルドグマ」や「三つ組暗号」などの単語が格好よく思えて、けっこう好きな科目だった。捨てずに持っていた参考書が役に立った。

参考:『分子細胞生物学 第4版』 D.ボルティモア他,東京化学同人 (最新版は第7版)

核酸

 タンパク質のアミノ酸配列に関する情報を担っており、また、アミノ酸を正しい順序に連結してタンパク質鎖を作り上げるのに使われる。デオキシリボ核酸とリボ核酸がある。

核酸の種類

セントラルドグマ

  • 遺伝情報が「DNA -> RNA -> タンパク質」という順番に流れていくという分子生物学の基礎概念
  • DNAからRNAを合成する段階を転写(transcription)、RNAからタンパク質を合成する段階を翻訳(translation)という

DNAとRNAの役割

DNA

遺伝情報を保存している

RNA

 タンパク質合成では3つの役割があり、その役割に応じて、メッセンジャーRNA(mRNA)・転移RNA(tRNA)・リボソームRNA(rRNA)と名前がついている。

『分子細胞生物学  第4版』より

メッセンジャーRNA(mRNA)

DNAからコピーした遺伝情報を担っている。この遺伝情報は三塩基の配列からなるコードという形をとり、各コードが特定のアミノ酸を指定することになる。

転移RNA(tRNA)

  • mRNAのコードを解読する鍵となる
  • それぞれのアミノ酸には対応するtRNAがあり、両者は結合した複合体を形成する。伸長中のポリペプチド鎖の先端にtRNAと結合したアミノ酸が運ばれていく。ポリペプチド鎖が1アミノ酸残基ずつ成長するごとに、正しいtRNA-アミノ酸複合体が選択される。これは、mRNAのコードと相補的な塩基対を形成する三塩基配列が特定ののtRNA分子上に存在しているからである。

リボソームRNA(rRNA)

  • 一群のタンパク質と会合してリボソームを作り上げる。この複合体はmRNA上を移動しながらアミノ酸を重合させてタンパク質を作り出す
  • tRNAやタンパク質合成に必要ないろいろな分子も結合する
  • リボソームは、それぞれのrRNAを含む大ユニットと小サブユニットからなる

DNAとRNAの構造

 DNAとRNAの構造はよく似ており、どちらも4種類のヌクレオチドという単量体からできた重合体である。ヌクレオチドとは、リン酸基とペントースがホスホジエステル結合で繋がり、これがさらに有機塩基(base)に結合している。DNAとRNAの違いは、そのペントースの種類および結合する有機塩基の種類である。

※ホスホジエステル結合では、糖の3’位の炭素原子に結合しているヒドロキシ基が次のヌクレオチドのリン酸基とエステル結合を形成する

日本生物物理学会のウェブサイト(https://www.biophys.jp/highschool/B-03.html)より

 また、リボースは2’位の炭素にはヒドロキシ基(-OH)が1つ結合するが、デオキシリボースの2’位の炭素にはつかない。このヒドロキシ基の存在によって、RNAはDNAよりも化学的に不安定であり、さまざまな構造を取ることができる。また、このヒドロキシ基はRNAが触媒する反応に関与する基でもある。

DNAの構成物

  • ペントース:デオキシリボース
  • 有機塩基:アデニン・グアニン・シトシン・チミン

RNAの構成物

  • ペントース:リボース
  • 有機塩基:アデニン・グアニン・シトシン・ウラシル

大きさ

 細胞内RNAの長さは100以下~数千ヌクレオチドまでさまざまだが、DNAの長さは数億ヌクレオチドにもなる。この大きなDNAはタンパク質と一緒になって染色体を形成するので、色素で染色すれば光学顕微鏡で観察できる。