進捗(9/23~9/29)物流センターとは

 某ECの物流センターの管理運営マニュアルについて、英日翻訳の打診があった。まったく知らない分野だな、と思いつつも「対応可能」で返事して、とりあえず図書館で入門書を借りてきた。以下、物流センターの全体像について基礎知識のメモ。

用語の整理

流通・物流・商流

  • 流通:生産者から消費者へ商品が届くまでの一連の流れ全体を指す。流通=物流+商流
  • 物流:商品を地理的に移動させる流れ(保管や梱包・加工・荷役・運送などすべて)
  • 商流:金銭のやり取りを含む物品の所有権の流れ

 たとえば流通経路が「メーカー→卸売業→小売業→消費者」であった場合、典型的な物流経路は「工場→メーカーの物流センター→トラックターミナル→小売店or小売業物流センター→消費者」になる。流通の各段階で流通センターに期待する役割は若干異なっており、メーカーは「消費者へ商品を素早く届けるための拠点」、卸売業は「メーカーと小売業の調整弁」、小売業は「店舗での作業負担を軽減するための場所」として、流通センターを位置付けている。

物流と商流を分けるメリット

 商流(営業)と物流(配送)が一体化している場合、営業担当者は注文を受けると営業所内の倉庫から商品を持ち出すことになる。この方法の欠点は、営業所間で売れ筋商品の奪い合いが生じたり、どの営業所も多くの在庫を持つために企業全体として在庫が過剰になることがある。商流と物流を分ける、つまり営業所と物流拠点の立地を物理的に分ける「商物分離」をとることによって、営業担当者は営業に割く時間を増やすことができたり、提案型営業などの質的な向上が図れるようになる。

サプライチェーンとSCM

 商品の生産から、消費者への販売までの流れを一本の鎖になぞらえてサプライチェーン(供給連鎖)と表現することがある。このサプライチェーン全体を総合的に管理して取引の効率化を図る経営手法をSCM(サプライチェーンマネジメント)という。

 SCMでは、サプライチェーンに組み込まれた企業同士が需要予測などの情報を共有し、サプライチェーン全体での効率化を図る(全体最適)ものであり、各企業が自社に直接関与する範囲内でのみの効率化を図る手法(部分最適)とは相容れない考え方である。必要なモノを、必要なときに、必要なだけ供給する「ジャスト・イン・タイム」なSCMを実践することにより、在庫や仕掛品の削減と併せて、顧客満足度の向上(納期短縮や品切れ防止)が可能になる。

物流センターの仕組み

構成要素

 物流センターを構成する主な要素は、ヒト・モノ・カネ・情報の4つに分類できる。

物流センターの構成要素

ヒト

 物流センターの運営に係る物流品質(正しく速く納品すること)と物流生産性(効率的に作業すること)には、特に現場で働く作業スタッフの育成が重要になる。また、曜日や季節によって取扱量が大きく変わるため、非正規雇用の(良質な)作業スタッフが集まりやすい環境に立地する必要がある。

モノ

 マテハンとはマテリアル・ハンドリングのことであり、フォークリフト・パレット・搬送用コンベアなどの作業機器のこと

カネ

 物流センターの建設には多額の資金を必要とする。物流センターにおいてコスト削減やコスト管理をする場合、その成否は結果が投資効果に見合うものであったかどうかが重要になる。物流センターのコストや投資は、キャッシュフローに直接影響をおよぼす。

情報

 受付け管理業務を電話・FAXでから電子データへ移行するなどの情報のシステム化は、物流センター業務の効率化に大きく寄与する。また各商品をバーコードで管理する技術などにより、センター全体の運営を支えている。

センターの種類

 一般的な物流センターは、その形態によって、DC(ディストリビューションセンター)とTC(トランファーセンター)に大別できる。また、目的別の分類としては、加工センター・返品センター・リサイクルセンター・保税蔵置場などがある。

保税蔵置場:輸出入において税関に対して申告を行う際に、いったん商品を置いておく場所であり、物理的に国内であっても、国外として扱われる

DC

  • 在庫を持つ物流センター
  • メリット:品切れの防止やリードタイムの短縮化を図ることができる
  • デメリット:在庫費用が掛かる、物量の増大に対して柔軟に対応しづらい

TC

  • 在庫を持たない物流センターであり、通過センターとも呼ばれる。各仕入先から納品される商品をいったんここに入荷し、その日のうちに仕分けして納品する
  • メリット:センターの運営コストが低く、物量の増大に柔軟に対応できる
  • デメリット:システムの構築に費用がかかる

また、その取扱い商品によって、センターの構造が大きく変わる。温度管理や賞味期限の有無、製品の重量が違えば、必要なものが変わる。

作業工程

 センターに入庫した荷物は、おおむね以下の手順で処理される。流通加工には、商品へプライスタグやJANバーコードを付ける作業をはじめ、お歳暮セットの作成などの「セット組み」、総菜の袋詰め、資材のカットなどが含まれる。

  1. 入荷
  2. 保管(格納)
  3. ピッキング(集品)
  4. 流通加工
  5. 検品
  6. 梱包
  7. 仕分け
  8. 出荷

Youtubeで物流センターを検索すると、たくさん出てきた。