電気+自動車② 復習:モータについて  

ほかの技術知識

EVの設計(制駆動系)

EVの要求仕様に合わせて、モータをコアとした制駆動システムの概念設計を行う。概念設計はさらに、構造設計と機能設計に区分できるが、話がややこしくなるので今回は省略する。

さて、要求仕様の要素として、具体的には車両諸元が含まれる。既存の計算シートにこの車両諸元を当てはることにより、減速ギヤ+モータに対する出力やトルクなどの要求特性が決まる。

出力やトルクが決まったら、モータの選定に移る。永久磁石モータと誘導モータのどちらを使うかのか、モータの極数をいくつにするのか、などを検討する。

モータについて復習

電気的エネルギーを機械的仕事に変換する装置の総称である。なお、電気的エネルギーを機械的仕事に変換するものは発電機という。

原理的には、磁場の中にある導体に電流を流すと、フレミングの左手の法則にしたがって、トルク(ローレンツ力)が発生する。もう少し具体的に書くと、界磁コイルと導体に流す電流の相互作用でトルク(回転力)を発生させる。

Fleming's Left Hand Rule.png
フレミングの左手の法則(wikipediaより)

過去のノート(投稿)を見返すと、2018年にモータとトルクについて調べた時期ものがあった。

参考:『進捗(11/12~11/18)ローレンツ力とベクトルの積』

参考:『進捗(12/17~12/23)トルク』

コイルの回転にともなうトルクの変化

モータ各種

黎明期のモータ

界磁(永久磁石やコイルなど、磁場を作るもの)に発生した力をどのようにモータの回転運動に変換するかが課題だった。界磁によって作られる磁束の方向は一定なので、電流を流した導体を回転させると電流の方向を切り替える必要がある。

ブラシと整流子の機構を導入することにより、連続回転ができる直流(DC)モータが作られた。

ACモータの誕生

AC発電機が実現かしたことに伴い、三相交流を電源とするモータが開発された。ACモータでは、界磁コイルである固定子巻線に三相交流電力が供給される。三相交流電流の作る磁界の合成は、交流電流の周波数と同期して回転するので、ACモータは、電流の方向を切り替える機構を必要としない。


AC モータの固定子巻線によって作られる磁界を回転磁界と呼び、周波数f、極数P とすると下記の式で求められる回転数が生じる

N = 120 f / P (rpm)

リラクタンスの利用

電磁石の吸引力を利用する。コイルを巻いた磁性体に電流を流すと磁性体が磁化されるとともに、近くの磁性体も磁化が誘導され、磁軸が一致するような方向に力が発生する。

直流(DC)モータの分類

界磁が巻き線(コイル)か、永久磁石かで分類することができる。

大容量のモータには巻線界磁を利用するが、小容量のDC モータは高効率を実現するため永久磁石(PM)を利用する。

交流(AC)モータの分類

同期モータ(交流の作る回転磁界に同期して回転する)と非同期モータ(交流の作る回転磁界に同期して回転しない)に大別できる。

同期モータは商用周波数では始動させることができないので、産業用モータの大半は、誘導モータとして始動させたのちに、同期回転に切り替える。

また、同期モータは、発電機など大容量の分野で使用される巻線型(固定子巻線から発生する磁束の誘導によるリラクタンス)と、それ以外の分野で利用される永久磁石(PM)を界磁とするPM モータがある。

その他のモータ

  • 交流モータ(同期)のうち、インバータなどドライブ回路により駆動するものには、正弦波電流で同期モータとして駆動するものや、磁極の位置に応じて矩形波で駆動するモータ(ブラシレスDCモータ)がある
  • コンデンサの電極間に働く力を利用する静電モータや、圧電素子を利用した超音波モータがある。