電気+自動車③ DCモータ

ほかの技術知識

モータに要求されるもの

トルク応答性や回転数が固定の製品とは異なり、自動車の場合は交通環境や走行モードにより、要求される回転速度・トルク特性が大きく変わる。

ー> さまざまな走行モードに応じて相反する特性が要求される

モータのトルクと回転数の関係
A 登坂・牽引モード

低速度領域のトルクが大きい

B 市街地走行モード

低負荷(低回転かつ低トルク)領域でも効率が高いこと

C スポーツ走行モード

最大出力が大きくトルク応答性が優れていること

D 高速巡行モード

速度レンジが広いこと

DCモータ

モータに対する要求を満たすため、場面に応じて多種多様のモータが使用されているが、そのうちの1つにDCモータがある。

ブラシあり・なし

DCモータには、ブラシと整流子が付いた通常のモータと、ブラシと整流子がないブラシレスモータの2種類がある。その違いはコイルと磁石のどちらが回転するかであって、原理や出力特性などの基本的性質はほぼ同じである。

DCモータの長所(小型で力強い、直流電源を繋ぐだけで回転する、速度や位置決め制御が容易)を受け継ぎながら、DCモータの欠点(ブラシと整流子が摩耗する、電気ノイズが発生する)を解決するものが、ブラシレスDCモータといえる。

  DCモータ ブラシレスDCモータ
回転子(ローテータ) コイル 永久磁石
固定子(ステータ) 永久磁石 コイル

DC(ブラシレス)モータの基本的性質

流す電流で負荷トルクを制御し、印加する電圧でモータの回転数を制御する。モータの回転数は逆起電力に比例する。

  1. 電流に比例してトルクが増える
  2. 電圧を高めると回転速度が上がる
  3. トルクと電流の関係性から、速度ゼロでも電流に比例したトルクを発生する

①と②は、制御にとって都合のよい性質であり、③は位置決め制御において大きな外力がかかっても、電流を制御して停止位置を制御できることを意味している。

DC(ブラシレス)モータの理論

モータとは、電気ー機械間の双方向型のエネルギー変換器である。

  • 電気ー>機械方向の理論:フレミングの左手の法則(BLI則),トルク
  • 機械ー>電気方向の理論:フレミングの右手の法則,逆起電力

フレミングの左手の法則(基本的性質①の説明)

空中に磁界Bがあり、磁界を横切るように置いた電線に電流Iを流すと、磁界中の電線(長さ:L)に力Fが発生する

フレミングの左手の法則
日本電産のウェブサイトより

鉄心のないモータの回転原理を思い出すと、回転するコイル(巻数:N)にはたらくトルクは、以下のようになる。

トルク

トルクの式をよく見ると、磁束の分布B・コイルの巻数N・コイル半径R・磁界中の電線長Lはいずれも、電流Iにかかる係数とみなすことができる。


時間切れにつき、とりあえず今日はここまで。