特開2016-163549メモ

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受注した案件に関連して読んだ特開2016-163549『マイクロウェルプレート、マイクロウェル装置、細胞解析方法及びマイクロウェルプレートの製造方法』に関するメモ書き

URL:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2016-163549/FEDAAD329977A2B2B5F7A144B3D4DB431875CA61C7A0618045033591ED6EDAD9/11/ja

要約と代表図

(57)【要約】
【課題】本発明は、多数の細胞を1細胞毎に個別にアッセイ試薬と反応させ解析することができる、マイクロウェルプレート及びマイクロウェル装置を提供することを目的とする。また、本発明は、本発明のマイクロウェル装置を用いて、簡便に多数の細胞を1細胞毎に分離して高感度に解析することができる、細胞解析方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、本発明のマイクロウェルプレートを安定的に得ることができる、マイクロウェルプレートの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
 本発明のマイクロウェルプレートは、前記マイクロウェルが、1個の細胞を補足する第1区画と、該第1区画に連通して設けられる第2区画とを備え、前記第2区画の容積が、前記第1区画の容積より大きく、前記連通は、記第1区画に補足された細胞が、第2区画に落下しないように構成されることを特徴とする。

特開2016-163549

メモ

本発明のマイクロウェルプレートは、第1区画に細胞を1つずつ入れ、第2区画内に試薬などを格納することができる。

使い方としては、①第2区画内の試薬を使って、第1区画内の細胞の核酸を増幅し(核酸増幅反応)解析する、②第1区画に補足させた細胞を溶解させずに、細胞の形態を観察することで細胞に由来する成分を解析する、などがある。なお、拡散増幅反応の1種が、1細胞に含まれるmRNAを逆転写してcDNAを増幅するRT-PCR反応である。

ちなみに、DNAについて調べたときのメモはこちら。核酸(DNAとRNA)

シングルセル解析(1細胞解析)

細胞1個1個の遺伝子またはタンパク質の挙動を解析するための技術。同じ組織から採取した細胞集団の中にも、多様な細胞が含まれるため。

本明細書上の作業工程は3段階ある

(第1段階)細胞捕捉工程:細胞懸濁液(細胞+溶媒?)をウェルプレート上の流路に流し込んで、ウェルプレート上に並んだ各ウェルの第1区画(上図)に細胞を1つ1つ入れる工程。私の作業イメージでは、たこ焼き器に生地を流し込む感じ。

(第2段階)細胞区画化工程:細胞が補足された各ウェルと、カバー部材の隙間の空間を、疎水性流体で覆って、第1区画にフタをする工程。本明細書によれば、この疎水性流体はフルオロカーボンオイルなどが良いらしい。

フルオロカーボンオイルの良いところ
1.細胞懸濁液の水溶性溶媒に溶解しにくい
2.溶液の比重が大きい
3.細胞毒性が低い

オイルなのに溶液の比重が大きいとはどういうことだろう?水よりも重いのだろうか?勝手なイメージとして、油は水より比重が小さいと思っていた。そもそもフルオロカーボンが何だったかというと、フロン系の冷媒だったはずだ。それを何らかのオイルに溶かしたものがフルオロカーボンオイルだろうか?後でちゃんと調べてみよう。

とりあえず、区画化の役割で考えると、第1区画の上面および、第1区画内にある細胞の表面に疎水性の膜を張るらしい。そうすると、クロストーク(溶液や溶媒の移動)を防止して、各ウェル間で内容物が混ざることが無くなる。

(第3段階)細胞解析工程:一口に解析と言っても色々ある。明細書の例によると、細胞形態観察、細胞内動態観察、遺伝子解析、タンパク質解析、ペプチド解析、代謝産物解析などである。また、解析の前処理もしなくてはならない。たとえば、溶解処理、加熱処理、非働化処理、撹拌処理、変性処理、マイクロウェーブ処理、超音波処理、放射線処理、磁気処理、化学反応処理、酵素反応処理、染色処理、抗原抗体反応処理、アフィニティー吸着処理である。

これら処理の中で、個人的にまったく馴染みが無いのがアフィニティー吸着処理だったので、これもメモ。

アフィニティークロマトグラフィー:アフィニティークロマトグラフィーはクロマトグラフィーの一種で、主として生体高分子(たんぱく質や核酸)同士または低分子物質とのアフィニティー(親和性)によって物質を分離する方法である。生化学などで盛んに用いられる。用いられるアフィニティーの種類は、たんぱく質同士の結合(抗原と抗体、シグナル伝達過程で結合するたんぱく質同士など)、たんぱく質と低分子物質との結合(酵素とその基質、受容体とホルモンなどのリガンド、キレートされた金属イオン、その他たんぱく質による特異的結合など)、核酸(DNA、RNA)の相補的結合、核酸とたんぱく質の特異的結合など様々なものがある。一方の物質を担体(デキストランやアガロースなどのゲルが多く用いられる)に固定化し、分離すべき物質の溶液を流し込むという方法がとられる。

Wikipedia

全体的に読みやすい明細書だった。出願人が大学ということは、学内審査会などを経て予算取りした上での出願だろうから、安心して読める。時間があれば後続のものも読んでみたい。